今年度のブレヴァンスキー場の目玉はリニューアルされたこちらのチェアリフト La Parsa ラ・パルサ でしょう。
1960年から始まった La Parsa ラ・パルサの歴史。
開設当時のリフトは至ってシンプルな二人乗り。
1989年になり、搬送力を高める為4人乗りのチェアーリフトに取り換えられたのですが、近年では「速度の遅さ・混雑」の面でかなりの批判を浴びていました。
そしてようやく2016年、6人乗りのリフトに交換されることが決定。
その 新しさ=清潔 さにはもちろん目を奪われますが、何と言ってもその最新の技術には感嘆せざるを得ず、快適さにも重点を置いてくれているのが嬉しい所です。
ここでチェアリフトに関する豆知識( Wikipedia より)を少しばかり。
スキー場において長年にわたり主力の機器であった2人用チェアリフトは、1時間あたり約1,200人を、最高秒速2.3m(時速8.28km)で運ぶことができる。
また、自動循環式4人用チェアリフトは、1 時間あたり約2,400人を、最高で秒速5m(時速18km)で運搬可能である。
ペアリフトは、2人乗りのチェアリフトである。「ロマンスリフト」と言われることもある。
日本のスキー場で一番多く見かけるタイプのリフトである。
ほとんどは乗降の際に減速しない固定循環式が採用されているが、距離の長いコースなどでは一部に高速運転が可能な自動循環式も設置されている。それにつき、フード付きのリフトも生産されている。
しかし二人で乗る時は、お互いに真ん中に詰めあわないとリフトの手すりに太ももなどをぶつけることがあるのでその点は注意すること。
比較的長距離のペアリフトにはスキー板やスノーボード板が乗せられる足掛けがついていることがある。
クワッドリフトは、4人乗りのチェアリフトである。
いすが4人分横に並んだ形態をしている。いすを一人分ずつ区切ったものもある。
可動式の屋根(フード)に覆われるものもある。これにより雪や雨、風から体を守り、安全で快適に乗客を輸送することができる。この屋根は乗降場で自動で開閉する(半自動の場合もある)。また手動で開けることができるものもあり、天候の良い時は開けて乗車することができる。
基本的に転落防止の可動式手すり(セーフティバー)がついている。
比較的遠距離間の輸送を担う場合は足(スキー・ボード板)掛けのある場合がある。
また、トップシーズン前後に登坂用として使用される可能性のあるリフトについては、座席背後にスキー板ハンガーを装備するものもある。
輸送力が高いため、主に、人気の高い、混雑するコースや長距離のコースに使われる。輸送速度が特に高い高速リフト(自動循環式)の場合が多い。稀に固定循環式のものもあるが、その場合には乗車を補助するためにローディングカーペットを併設することがある。
6人乗りリフト(ろくにんのりリフト)は、6人乗りのチェアリフトである。
構造はクワッドリフト同様に、転落防止の可動式手すり(セーフティーバー)があり、乗降時はメインケーブルから外れ速度が落ちる自動循環式を採用している。
シングルリフト、ペアリフト、トリプルリフト、クワッドリフトのような名称が付けられていないため、日本では「6人乗りリフト」と呼ばれている。
日本では2016年12月現在、広島県の芸北国際スキー場に唯一設置されているだけ。
そう、日本ではただ一つのスキー場に、そして世界的にも恐らく大きなスキー場にしか見られないであろう、この6人乗りのチェアリフトがこのブレヴァンにやって来たのです。
下写真は、1980年当時主流であり、ブレヴァンで昨年まで使用されていた4人乗りのチェアーリフト。
( 但し、最後の写真は1960年代当初の2人乗りのそれ。時代を随分感じますよね )
下山の際、ゴンドラ発着駅のある Plan plazに戻る唯一の手段であった為、ゲレンデの閉鎖時間近く( リフトの最終乗車時間は16時30分 )には特に混雑していたのは確か。
そして下の写真が新しくなった ラ・パルサ。
1989年~2016年 旧パルサ |
2016年~ 新パルサ |
---|---|
固定循環式 4人乗り |
自動循環式 6人乗り |
標高差 : 261 m | 標高差 : 293m |
距離 : 945 m | 距離 : 1 156m |
搬送能力 : 2400 人 / 時 | 搬送能力 : 2 964 人 / 時 |
速度 : 2,35 m / 秒 | 速度 : 5,5 m / 秒 |
数字だと良く分かりますね。
つまり速度はほぼ以前の倍、そして1時間当たり500~600人ほど多く搬送できるようになったという事。
写真からも分かるように、座席は格段に改善されています。
クッションが良く、全体が皮で覆われていて座り心地は抜群。
背中に空いたスペースが無いので、後ろから吹き付ける風に凍えることもなくなった上、転落防止も十分に考慮されています。また、バーは自動開閉なので安全。
最新の技術を駆使して建設されたこのパルサには700万ユーロ(日本円にして 8億5千万円ほど )がかけられたとのこと。
目が飛び出てしまうほどの金額ですが、確かに出来上がりを見てみると納得せざるを得ないかと。
旧リフトの取り壊しから、新しいケーブルや鉄塔の設置、発終着駅の改装、そして忘れてはいけないのが数カ月にも及ぶ工事に携わった者達への人件費。これらを考えるとこの金額は妥当な所なのかもしれませんね。
但し、ここがフランス的。
工事は既に終わり、2016年12月17日からの稼働開始が予定され、「クリスマスヴァカンスからこの最新で高速のチェアーリフトを利用できるようになる!!」と大いに宣伝されていたのでが、実際に利用可能となったのは1月も2週目に入ってから。
と言うのも、安全基準が満たされたという認定印をなかなか押してもらえなかったから、と。
それも 特に不備があったという訳ではなく、鑑定員がなかなか来てくれなかったからだそう 。
、、、。
そんな、こんながあった ラ・パルサですが。
2017年1月20日(金)に、この ラ・パルサ やその改築に伴いやはり移動、改築された Téléski 2000 テレスキー 2000 、一昨年に運転が開始された Funi 2000 フニ 2000 を含めた開通式( この3つの改築で、最終的に1千万ユーロほどが使われたそう
)がカンパニーュ・ド・モンブランの社長、シャモニー市長、そしてオート・サヴォワ県の知事に3人の国会議員が招待された中行われました。
その他多くの市議、カンパニーュ・ド・モンブランの主従業員、そしてこの工事に直接携わった方たちを含めた、総勢130名ほどがこの開通式に招待されたとの事。
しかし、その130名もの人達を招待する( スキー場のレストランで軽食を取って行ったそう )お金は一体どこから出ていたのでしょう?
市の公庫(つまり私達の税金)?
それとも宣伝の為と気前の良いリフト会社から?
そしてもう一つ。
鉄柱の数を減らしたりと「環境に優しく」をうたい文句にしていたくらいなのですから、130名の招待客はシャモニーまで公共機関を利用して来てくれた事、間違ってもそれぞれが公用車や自家用車で来なかった事を願っています。
そして開通式に時間を割くくらいであれば、ゴンドラで下山中に目の当たりにするであろう環境汚染の深刻さをもっと真剣に考えてもらえないかと。
* 写真はツールから撮られたものですが、もちろんブレヴァンからの下山中もこの様な汚染された空気の層を残念ながら毎日の様に見る事が出来ます。
( 環境汚染問題に関しては後日ブログに書きたいと思っています。)
またいつものごとく最後はうだうだ言ってしまいましたが、リニューアルされた ラ・パルサ 、本当に快適なのでぜひ利用しに来てくださいね。
以前と比べ、あまりにも速くなってしまったのでゆっくりと写真を撮る時間が無くなってしまったのが個人的には残念なのですが。
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